手描き友禅は、一反の白生地から一枚の着物が完成するまでおよそ20以上の工程があります。
ここでは羽田工房の全工程の中から主だったものを抜き出して紹介します。
ここでは羽田工房の全工程の中から主だったものを抜き出して紹介します。
題材のスケッチを重ね、構想を練ります。 |
小下絵を元に着物と同じ寸法の草稿を描きます。 柳の木炭で描いた後、墨などでしっかりと仕上げます。 |
草稿の上に、反物を着物の形に裁断して仮縫いした仮絵羽(かりえば)を重ねて、つゆ草から絞った「青花」で下絵を描きます。「青花」は水に接すると消える性質を持っています。下絵はその後の工程すべての土台となる重要な作業です。 |
下絵を描いた仮絵羽(かりえば)をいったんほどいて、下絵に沿って細く糊を置いていきます。この糊が生地に染み込んで防波堤となり、染料を挿しても色が滲んで混ざり合わないようになります。糊を置いた後、一度水を通して青花を消すと、糊糸目だけが残ります。 |
染料を染み込みやすくするために、生地に豆汁(ごじゅう)と呼ばれる大豆の汁を引きます。地入れからは、作業しやすいように生地を柱の間に渡して引っ張った状態にします。 |
糸目糊置きした中の模様部分に色を挿します。生地の下を電熱器で温めて、染料を乾かしながら描いていきます。絵画を描くように自在に美しい色で表現していきます。 |
色挿しが終わった部分に糊や蝋をかぶせます。糊や蝋をかぶせたところは完全に防染され、次の地染め工程で地色が文様の部分に入り込むのを防ぎます。 |
刷毛で薄い色を引いて乾かし、鑞を撒いてまた濃い色を重ねたり、ぼかしを入れたり工夫をこらします。 |
地染めの終わった生地は揮発水洗で糊などを落とした後、蒸して染料を定着させます。蒸し時間は染料の種類や生地の乾燥具合によって調整します。 |
蒸しが終わった生地についた余分なものを水で洗い落とします。これは水元といって、いわゆる「友禅流し」と同じ工程です。今は良質な地下水を用います。その後、ゆのしをかけて風合いを柔らかな絹本来の状態に戻します。 |
必要な部分に糊を置いてから、金箔やプラチナ箔を置いたり。金銀すなごを撒いたりします。 最後は隅々まで丹念にチェックし、仕上げます。 |